続・娘と嬢

id:hakuriku:20030905さんが詳しく纏めて下さいました。ありがたうございます。態々、漢字の半切も書かれてあります。
件の小説新潮の記事に対する私の意見は述べてゐなかつたと思ひますので、此処で私の意見を述べておきます。
小説新潮の記事では、現代の支那語(簡体字)で、「娘」と云ふ漢字と「嬢」と云ふ漢字が全く同じ意味とされてゐる事を以て、「同じ字」と認定してゐるのですが、其れは早計な判断だと思ひます。もつと調べられる部分はあると云ふ意味で別の面から考へ直してみました。
漢字が日本に輸入された時は既に「娘」も「嬢」も同じ字音、同じ字義になつてゐたやうですが、日本では違ふ文字であると云ふ意識はあつたのだと思ひます。其の后、「娘」に敬意を込めた表現として「嬢」と云ふ漢字が日本で使はれるに至つたのでせう。
「娘」と「嬢(孃)」が同じ漢字かどうかと云ふ事は、夫々の漢字の出自や成立ちから考へても違ふ漢字であると私は結論します。偶々現代の支那語では同じ漢字として認識されてゐるだけの話です。
次は「花と華」ですが、如何致しませう。一応記事は考へておきますが。