忍穂耳段(神皇正統記)

折角岩波文庫版の『神皇正統記』(戦前版)を入手したので、気になる記事を引用してみる。

此みこと、はやく神さり給にけり。凡、國の主とてはくだし給はざりしにや。

上記は、『神皇正統記』(戦前版)の忍穂耳段のp.37の一部を引用したものである。私が強調を加へた部分は、手元に在る別の本では「神の主」と書かれてゐたが、岩波文庫版は、戦前版も戦後版も夫々「國の主」とされてゐる。底本の異同は在るのだらうが、矢張り前后の文章の意味から考へるに、「國の主」とするのが妥当であらう。