石切劔箭神社(いしきりつるぎやじんじや)

社格
村社、式内社
鎮座地
河内国東大阪市
御祭神
饒速日尊、可美真手命
御利益
病気平癒、お百度参り

神社の御由緒に依ると、天孫瓊々杵尊の御兄として饒速日尊が出て来ます。記紀には其のやうな記述が無い為、明かに『旧事紀』の内容に準拠した解釈です。神武東征の際、饒速日尊の功績をお褒めになつて、「劔」をお授けになつたとされます。又、「天羽々矢」を神武天皇と共に示し合つた逸話を元に天照大神の子孫である事を確認した事も記録されてゐます。
御鎮座は、この神社の神職木積氏の家伝『遺書伝来記』に「神武天皇紀元2年に宮山に「上之社」が建てられ、崇神天皇の御代に「下之社(現在の本社)」に可美真手命が祀られた」とされてゐるさうです。と云ふ事は、本来「上之社、上之宮」のに祀られてゐる御祭神が饒速日尊と云ふ事になるのでせうが、現在は、「本社」と「上之社」共々饒速日尊と可美真手命の二柱の神を祀つてあります。神職の木積氏は本来穂積氏と云ふさうで、物部氏の氏族になるさうです。
「上之宮」の裏手には生駒山が在ります。過去には生駒山御神体として崇拝してゐたのかも知れません。
御利益は、「デンボの神様」として病気平癒に利くとされてゐます。「デンボ」は腫れ物を云ふらしく、癌などにも効用があるとの由。この神社のお百度参りは風物詩として見る者を暫く楽しませて呉れます。